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Number_iとKing & Prince──“比べる”ことで見えなくなるもの

Number_iとKing & Prince──“比べる”ことで見えなくなるもの

🪞 「明暗を分けた」という言葉の奥で

Number_iのライブは“塩対応”。

King & Princeは“気遣い演出で好評”。

──そんな並べ方の記事を、あなたも一度は見たことがあるかもしれません。

どちらも事実を伝えているように見えてしまいます。

けれど、文章の組み立て方ひとつで、「どちらがうまくいっているか」という

無意識のストーリーが生まれてしまうのです。

Number_i、“塩対応ライブ” に続き「ショート動画」に落胆の声…分裂劇から2年、キンプリは “気遣い演出” 好評で分かれた明暗


⚙️ メディアの皆さん、「比較で語る」くせ、ついていませんか?

Number_iは、King & Princeを離れた3人――

平野紫耀さん・岸優太さん・神宮寺勇太さんが、

新しい音楽と表現を追い求めるために立ち上げたグループです。

それなのに、記事ではいまだに「キンプリと比べてどうか」で語られる。

まるで同じ競技に出ているような構図です。

「Number_iは不満の声」「キンプリは好評」

——並べて書かれると、自然と“明暗”が浮かび上がる。

でも実際は、もう違う道を歩いている人たちなんですよね。

UNESCOの報道倫理ガイドラインでも、

「比較による価値判断や感情的な二極化は、個人や集団の多様性を損なう可能性がある」

UNESCO: Journalism Ethics Guidelines

としています。


🧭 “違う”を“勝ち負け”で語らない

記事の流れを少し整理してみましょう。

  • Number_i:30秒のショート動画に「不満」
  • King & Prince:YouTubeに1分の映像、「気遣い演出」で好評

こうして書かれると、つい比較したくなります。

でも実際は、目指している方向がまったく違う。

Number_iは“アーティストとしての実験期”。

King & Princeは“継続の物語”を紡ぐ時期。

それを「どちらが優れている」と測ることに、どれほど意味があるでしょうか。


💬 ファンの声も、ちゃんと届いている

ファンが感じる「モヤモヤ」も「嬉しさ」も、どちらも本物。

けれど、それを見出しで“対立”として消費してしまうのは、少し寂しい。

ニュースが「誰かの努力を引き立てるために、別の誰かを引き合いに出す」構造から、少しだけ距離を取ってみる。

それだけで、見える景色は変わります。


🌱 まとめ:比べないというまなざし

Number_iはもう「元キンプリ」ではなく、新しい創作チーム。

King & Princeもまた、自分たちの形を磨き続けている。

どちらも、ファンの前で誠実に音楽を届けている。

だから、“明暗”なんて本当は存在しません。

ニュースを読む私たちもまた、その違いを「競争」ではなく「多様性」として受け取ることができたら。

SmokeOutは、火のないところに立つ煙を、今日もそっと晴らします。

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