🎙️ 喜ばしいはずのニュースが、なぜか“心配”に
10月3日、『ラヴィット!』(TBS系)でヒコロヒーさんが金曜日のシーズンレギュラーに就任すると発表されました。
ファンからは、素直な喜びの声がたくさん上がりました。
《ヒコさんシーズンレギュラー!?やったーーー!》
《金曜にヒコロヒーが見られるの最高!》
ところが記事では、そのあとにこう続きます。
《ちゃんと寝坊せずに来れるかな》《そのうちヤラカシて戻ってくるだろうなw》
SNSでのこれらの言葉は、あくまで軽い冗談や愛あるイジリです。
ヒコロヒーさんの「寝坊キャラ」は本人もネタにしている“笑える持ち味”で、
“心配”というより“親しみ”に近いものです。
けれど、記事ではそれが「心配の声」として扱われ、
全体の印象が「喜ばしいニュース」から「不安の話題」へとすり替わってしまいました。
💭 “冗談”を“懸念”に変える構成
記事タイトルにはこうあります。
「ヒコロヒー『ラヴィット!』レギュラー発表も心配される遅刻癖」
ヒコロヒー『ラヴィット!』レギュラー発表も心配される遅刻癖…過去には芸人仲間から“袋叩き”にあったことも
見出しの「も」は、ポジティブな出来事に“陰”を添える言葉です。
「就任したけど、問題もある」──そんな含みを自然に作り出します。
IPSO Editors’ Code(Clause 1:Accuracy) では、
「見出しは本文で裏づけられなければならない」と定められています。
しかし、今回の本文はファンの冗談を引用しているだけで、
“心配されている”という根拠は明確に示されていません。
こうした“構成上の言葉の付け足し”が、
読者の印象をさりげなく変えてしまうことがあります。
📰 “過去エピソード”の扱い方が焦点です
記事では、ヒコロヒーさんの「遅刻エピソード」がいくつも紹介されていました。
たしかに、過去にはバラエティ番組や映画撮影の現場で遅刻したことを、
ヒコロヒーさん自身が自ら語り、笑いに変えてきました。
“遅刻”というテーマは、芸人としてのキャラクターの一部になっているのは事実です。
ただ、今回の報道では、それらの過去の話を「今も続く癖」としてまとめ、
「レギュラー就任=挑戦」ではなく「再び心配」として結びつけていました。
「過去の出来事を現在の評価に結びつける際は、関連性と意図を明確にすること」と示しています。
“遅刻”という事実を取り上げるなら、
「その後どう変化したのか」「本人がどう語ってきたのか」も一緒に書くことで、
より公正で誠実な報道になります。
過去を繰り返し取り上げて“今の不安”に見せる構成は、
事実よりも“印象”をつくってしまうのです。
🤝 まとめ:シンプルにおめでとう
“心配される遅刻癖”という言葉は、
ヒコロヒーさんが笑いに変えてきたエピソードでもあります。
バラエティでの「やらかし」は、しばしば「芸」や「人柄」の一部になります。
それを報道が“懸念材料”に変えると、笑いの温度が消えてしまう。
「水を差さない」これに尽きます。
たまにはシンプルにレギュラーおめでとうで終わってみよう。