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更新: 2025/10/7

ヒコロヒーさんに、シンプルにおめでとうと伝えよう

ヒコロヒーさんに、シンプルにおめでとうと伝えよう

🎙️ 喜ばしいはずのニュースが、なぜか“心配”に

10月3日、『ラヴィット!』(TBS系)でヒコロヒーさんが金曜日のシーズンレギュラーに就任すると発表されました。

ファンからは、素直な喜びの声がたくさん上がりました。

《ヒコさんシーズンレギュラー!?やったーーー!》

《金曜にヒコロヒーが見られるの最高!》

ところが記事では、そのあとにこう続きます。

《ちゃんと寝坊せずに来れるかな》《そのうちヤラカシて戻ってくるだろうなw》

SNSでのこれらの言葉は、あくまで軽い冗談や愛あるイジリです。

ヒコロヒーさんの「寝坊キャラ」は本人もネタにしている“笑える持ち味”で、

“心配”というより“親しみ”に近いものです。

けれど、記事ではそれが「心配の声」として扱われ、

全体の印象が「喜ばしいニュース」から「不安の話題」へとすり替わってしまいました。


💭 “冗談”を“懸念”に変える構成

記事タイトルにはこうあります。

「ヒコロヒー『ラヴィット!』レギュラー発表も心配される遅刻癖」

ヒコロヒー『ラヴィット!』レギュラー発表も心配される遅刻癖…過去には芸人仲間から“袋叩き”にあったことも

見出しの「も」は、ポジティブな出来事に“陰”を添える言葉です。

「就任したけど、問題もある」──そんな含みを自然に作り出します。

IPSO Editors’ Code(Clause 1:Accuracy) では、

「見出しは本文で裏づけられなければならない」と定められています。

しかし、今回の本文はファンの冗談を引用しているだけで、

“心配されている”という根拠は明確に示されていません。

こうした“構成上の言葉の付け足し”が、

読者の印象をさりげなく変えてしまうことがあります。


📰 “過去エピソード”の扱い方が焦点です

記事では、ヒコロヒーさんの「遅刻エピソード」がいくつも紹介されていました。

たしかに、過去にはバラエティ番組や映画撮影の現場で遅刻したことを、

ヒコロヒーさん自身が自ら語り、笑いに変えてきました。

“遅刻”というテーマは、芸人としてのキャラクターの一部になっているのは事実です。

ただ、今回の報道では、それらの過去の話を「今も続く癖」としてまとめ、

「レギュラー就任=挑戦」ではなく「再び心配」として結びつけていました。

UNESCO報道ガイドライン は、

「過去の出来事を現在の評価に結びつける際は、関連性と意図を明確にすること」と示しています。

“遅刻”という事実を取り上げるなら、

「その後どう変化したのか」「本人がどう語ってきたのか」も一緒に書くことで、

より公正で誠実な報道になります。

過去を繰り返し取り上げて“今の不安”に見せる構成は、

事実よりも“印象”をつくってしまうのです。


🤝 まとめ:シンプルにおめでとう

“心配される遅刻癖”という言葉は、

ヒコロヒーさんが笑いに変えてきたエピソードでもあります。

バラエティでの「やらかし」は、しばしば「芸」や「人柄」の一部になります。

それを報道が“懸念材料”に変えると、笑いの温度が消えてしまう。

「水を差さない」これに尽きます。

たまにはシンプルにレギュラーおめでとうで終わってみよう。

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